インターネット上の投稿や口コミについて、
「今すぐ削除や発信者の特定をした方がいい気がする」
という感覚が、急に強くなることがあります。
それまで様子を見ていたはずなのに、
ある瞬間から、
「もう待っていられない」
「これ以上放置するのは危ない」
と感じ始める。
この記事では、
そうした感覚が生まれる場面で、
実際に何が起きているのかを整理します。
削除や発信者の特定をすべきかどうかを判断するための記事ではありません。
「なぜ、そう感じてしまうのか」を理解するための読み物です。
「今すぐ削除や発信者の特定をした方がいい」と感じる瞬間
相談の場で話を聞いていると、
削除や発信者の特定を強く意識し始めるきっかけには、
いくつか共通する場面があります。
予想していなかった人に見られたとき
家族や知人、
職場の関係者など、
想定していなかった相手に
投稿を見られたと分かったとき、
状況の見え方が一気に変わることがあります。
それまで「ネットのどこかにある話」だったものが、
自分の生活圏に近づいてきたと感じられる瞬間です。
検索結果に表示され続けていると気づいたとき
時間が経っても、
検索すると同じ投稿が表示される。
その事実に気づいたとき、
「自然に消えるかもしれない」
という前提が揺らぐことがあります。
投稿が残っていること自体よりも、
自分の意思とは関係なく
目に触れ続ける状態にあることが、
不安を強めることがあります。
第三者の反応が積み重なり始めたとき
最初は静かだった投稿に、
コメントが付いたり、
別の場所で言及されたりすることで、
状況が動き出したように感じられることがあります。
自分では止められない流れが
生まれ始めたと感じたとき、
「今すぐ何かしなければ」
という感覚が強くなることがあります。
相手の意図や立場が想像できなくなったとき
書かれている内容よりも、
「なぜこんなことを書いたのか」
「どういう立場の人なのか」が
分からないことに、
不安が向くことがあります。
相手が見えないまま評価されている。
何を考えているのか分からない誰かが
背後にいるように感じられる。
そうした感覚が続くと、
内容の真偽よりも先に、
「まず相手をはっきりさせた方がいいのでは」
という考えが浮かぶことがあります。
この感覚は「危険の察知」であって、結論ではない
「今すぐ削除した方がいい」
「今すぐ発信者の特定をした方がいい」
という感覚は、
間違ったものではありません。
多くの場合それは、
状況が変わり始めていることを
察知した結果として
自然に生まれるものです。
ただ、
その感覚がそのまま
「今すぐ削除すべきだ」
「今すぐ発信者を特定すべきだ」
という結論と
一致するとは限りません。
ここで起きているのは、
判断ではなく、
警戒に近い反応です。
この段階で起きているのは、
「もう結論を出すべきだ」という判断ではなく、
これまでと同じ前提で考え続けてよいのかどうか、
一度立ち止まって確認しようとする反応です。
危険を察知する感覚は、
行動を決めるためのものというよりも、
考え方を切り替える必要があることを知らせるために
現れることがあります。
不安が強くなると、判断が一気に近づいて見える
状況が動き始めたと感じると、
人は、
「もう決めなければならない」
という気持ちになりやすくなります。
削除や発信者の特定をするか、しないか。
その二択が、
急に現実的で差し迫ったものとして
感じられるようになります。
ただ、
この段階でも、
すべてが確定したわけではありません。
不安が強くなることで、
判断が近づいて見えているだけ、
という場合もあります。
不安が強くなると、
人は「もう選択肢が絞られている」
「時間が残っていない」
と感じやすくなります。
ただ実際には、
選択肢の数が減ったのではなく、
不安によって視野が狭くなっているだけ、
ということも少なくありません。
感じているのは「結論」ではなく「変化」
「今すぐ削除や発信者の特定をした方がいい気がする」
という感覚が出てきたとき、
まず起きているのは、
前提条件の変化です。
見られる範囲が広がった。
時間が経っても消えなかった。
第三者の反応が重なった。
こうした変化によって、
これまでの「様子を見る」という判断が、
そのまま続けられるものなのかどうかが
揺さぶられます。
この感覚は、
すぐに答えを出せという合図ではなく、
状況をもう一度整理し直す必要がある、
というサインとして受け取ることもできます。
この段階では、
正解を探すよりも、
何が変わったと感じているのかを
ひとつずつ拾い上げていく方が、
判断には近づきやすいことがあります。
「今すぐ削除や発信者の特定をした方がいい気がする」という感覚が出てきたとき、
多くの場合、その人はすでに
「何もしないでいられる段階」から
「判断を避けては通れない段階」へと
足を踏み入れています。
それは、すぐに結論を出すべき状態になった、
という意味ではありません。
ただ、
これまでと同じ前提で考え続けることが
難しくなり始めている、
という変化が起きている状態です。
次に読むなら
では、
「今すぐ削除や発信者の特定をした方がいい気がする」
という感覚が出てきたとき、
どこから整理を始めればいいのでしょうか。
次の記事では、
削除や発信者の特定か放置かを考える前に、
どのように状況を切り分けていくとよいのかを、
もう一段整理していきます。