日常の中で何か違和感のある出来事が起きたとき、
「これって違法ですか?」と聞きたくなる瞬間は、決して珍しくありません。
相手の行動に納得できなかったり、
自分が不利益を受けているように感じたりすると、
その感覚が正しいのかどうかを、
はっきりさせたくなることがあります。
「違法なのかどうか」が分かれば、
自分がどう考えればいいのか、
次に何をすればいいのかが見えてくるように思えるからです。
一方で、
違和感や不安を抱えたまま、
すぐに白黒をつけたい気持ちになるほど、
考えが少し窮屈になっていることもあります。
この記事では、
「これって違法ですか?」と聞きたくなったときに、
いきなり答えを求める前に、
一度立ち止まって考えてみたい視点を整理してみます。
「違法かどうか」を先に知りたくなる理由
何かトラブルのような出来事が起きたとき、
私たちはつい、
それが「違法なのかどうか」を基準に考えようとします。
違法かどうかが分かれば、
自分の感じている違和感が正しいのかどうかを確認でき、
判断の軸を持てるように思えるからです。
また、
相手の行動が違法であれば、
「相手が悪い」「自分は間違っていない」
と整理できる点も、
この問いが生まれやすい理由の一つかもしれません。
ただ、
「違法かどうか」という問いは、
白か黒か、はっきり線引きできるもののように感じられがちです。
しかし実際には、
違法かどうかが一目で判断できる場面はそれほど多くありません。
多くの場合は、
具体的な状況や経緯、関係者の立場などによって、
評価が変わります。
同じように見える行動であっても、
どのような場面で、どのようなやり取りがあり、
どのような影響が生じているのかによって、
判断の前提は大きく異なります。
そのため、
「違法ですか?」という問いに対しても、
一言で答えが出るとは限らない、
という前提を持っておくことが大切です。
だからこそ、
いきなり結論を求めるよりも、
まずは状況を整理することが、
結果的に近道になる場合もあります。
違法かどうかと、問題として考えるべきかは別の話
「これって違法ですか?」と感じたとき、
その出来事を一つの基準で整理したくなる気持ちは自然なものです。
ただ、
物事を少し引いて見てみると、
「違法かどうか」と
「問題としてどう捉えるべきか」が、
必ずしも一致しない場面があることに気づきます。
たとえば、
一つ一つの行動だけを切り取れば違法と評価できるとしても、
全体として見たときには、
それほど大きな問題にする必要がない場合があります。
一方で、
単体の行動だけを見ると違法とは言えなくても、
それがどのような経緯で起きているのか、
繰り返し行われているのか、
周囲にどのような影響を及ぼしているのかを含めて考えると、
看過できない問題になることもあります。
このように、
違法かどうかという一点だけで判断しようとすると、
本来注目すべき背景や全体像が見えにくくなることがあります。
「違法ですか?」という問いは重要ですが、
それが最初の問いでなければならないとは限りません。
今何が起きていて、
自分はどこに困っていて、
どの部分が一番引っかかっているのか。
そうした点を整理した上で、
違法かどうかを考える方が、
状況を落ち着いて捉えやすくなる場合もあります。
「これって違法ですか?」と聞く前に整理しておきたい視点
違法かどうかが一言で決まらない場面が多いからこそ、
その問いを投げかける前に、
いくつか整理しておきたい点があります。
ここでいう整理は、
結論を出すための準備というよりも、
状況を落ち着いて捉えるための下地づくりです。
事実として何が起きているのか
まず確認しておきたいのは、
評価や感情をいったん脇に置いて、
事実として何が起きているのかです。
いつ、どこで、誰が、どのような行動を取ったのか。
自分がどう感じたかとは切り離して、
出来事そのものを並べてみることで、
状況の輪郭が少しずつ見えてきます。
この段階で、
それが違法かどうかを判断する必要はありません。
事実を整理すること自体が、
次に考えるための土台になります。
何に一番困っているのか
次に、
自分がどこに一番困っているのかを考えてみます。
違法かどうかが気になっていても、
実際には、
相手との関係が悪化することへの不安や、
今後どうなるのか分からないことへの戸惑いが、
問題の中心にある場合も少なくありません。
「何が許せないのか」ではなく、
「どこが一番つらいのか」
「何が続くと困るのか」
という視点で整理してみると、
考えるべき点が変わってくることがあります。
どうなれば、少し状況が楽になるのか
最後に、
今の状況がどうなれば、
少しでも楽になるのかを考えてみます。
必ずしも、
完全な解決や最終的な結論を思い描く必要はありません。
「今より少し落ち着きたい」
「これ以上状況が悪くならないようにしたい」
といった程度でも十分です。
この視点を持っておくことで、
違法かどうかを知ることが目的なのか、
それとも別の形で状況を改善したいのかが、
自分の中で整理しやすくなります。
それでも「違法かどうか」が気になるとき
ここまで整理しても、
なお「これって違法ですか?」という問いが頭から離れないことはあります。
それ自体は、不自然なことではありません。
違法かどうかを知りたいという気持ちは、
自分の感じている違和感や不安を、
何らかの基準で確かめたいという思いの表れでもあります。
ただ、
その問いにすぐ答えを求める前に、
ここまで整理してきた事実や困りごと、
自分が望んでいる状態を、
一度振り返ってみることも大切です。
そうすることで、
違法かどうかを知ることが、
本当に今必要なことなのか、
あるいは、
別の形で状況を改善する余地があるのかが、
少し見えやすくなることがあります。
「違法ですか?」という問いは、
考えを前に進めるための入り口の一つです。
しかし、
それが唯一の出発点である必要はありません。
判断を急がず、
状況を整理しながら考える時間を持つこと自体が、
次の選択を落ち着いて選ぶための助けになることもあります。
こうした視点を踏まえて、
今抱えている状況を改めて眺めてみることで、
自分にとって現実的な選択肢が、
少しずつ見えてくるかもしれません。