借金の問題を考えるとき、
どうしても
「いくらあるのか」
という数字に意識が向きます。
けれど、
借金は、
金額だけの問題ではありません。
そこには、
必ず
時間が関わっています。
いま払えているかどうか。
来月も続けられそうかどうか。
数年後、
この状態が続いたとき、
生活はどうなっているのか。
借金の問題は、
「いま」の話であると同時に、
「これから」の話でもあります。
時間が経つほど、
状況は、
少しずつ形を変えていきます。
その変化は、
急激ではないかもしれません。
けれど、
確実に積み重なっていきます。
借金と時間の関係を、
一度、
静かに整理してみたいと思います。
借金は「時間の契約」である
借金は、
お金を借りる行為として
理解されがちです。
けれど、
もう少し別の角度から見ると、
借金は、
「時間を前借りする契約」
とも言えます。
いま必要なお金を手に入れる代わりに、
これからの時間の中で、
少しずつ返していく。
その約束が、
借金の本質です。
返済とは、
将来の収入の一部を、
あらかじめ
使ってしまうことでもあります。
そして、
利息は、
その時間に対する
対価です。
時間が長くなれば、
支払う総額は増えます。
期間が延びれば、
将来の選択肢は、
少しずつ固定されていきます。
借金は、
単なる「いまの不足」を埋める手段ではなく、
これからの時間の使い方を
決める契約でもあります。
時間が長くなるほど、構造は固まる
借金がある状態が続くと、
毎月の返済は、
生活の中に
組み込まれていきます。
最初は一時的な負担のつもりでも、
数か月、
あるいは数年と続くうちに、
その支払いは
前提になります。
収入から、
まず返済分を差し引く。
残った範囲で生活を組み立てる。
その状態が続くほど、
家計の構造は、
返済を中心に固定されていきます。
利息が重なり、
元本が思うように減らない場合、
「返しているのに変わらない」
という感覚が生まれます。
けれど、
その間にも、
時間は確実に進み、
将来の収入の一部は、
すでに
返済に充てられることが
決まっています。
時間が長くなるほど、
返済は、
一時的な出来事ではなく、
生活の土台の一部になります。
そしてその土台は、
自分でも気づかないうちに、
選択肢を狭める方向に
固まっていきます。
時間は、少しずつ「余裕」を削っていく
借金がある状態が続くと、
変わっていくのは
金額だけではありません。
まず削られていくのは、
生活の余裕です。
貯蓄が増えない。
急な出費に備えられない。
収入の多くが、
あらかじめ
返済に割り当てられている。
こうした状態が続くと、
家計の自由度は、
少しずつ小さくなっていきます。
同時に、
選べる方法の幅も、
ゆっくりと狭まっていきます。
条件を見直す余地があったとしても、
時間が経つほど、
動くこと自体が
心理的に難しくなります。
「今さら相談できない」
「ここまで続けてきたのだから」
そんな思いが、
判断をさらに遅らせます。
借金の問題は、
ある日突然、
選択肢がなくなるわけではありません。
けれど、
時間が経つほど、
立て直すための余裕は、
静かに削られていきます。
その変化は、
目に見えにくい分だけ、
気づきにくいものです。
早いか遅いかではなく、構造を見る
借金の問題について、
「もっと早く動くべきだった」
という言葉が語られることがあります。
けれど、
早いか遅いかだけが、
本質ではありません。
大切なのは、
いまの構造が、
時間とともに
どの方向へ進んでいるのかを、
見つめることです。
いま払えていることと、
この状態が
数年続いたときの姿は、
必ずしも同じではありません。
時間は、
味方にもなりますが、
構造が変わらなければ、
負担を積み重ねる側にもなります。
借金の判断とは、
金額を比べることでも、
誰かと比較することでもなく、
時間の使い方を
どう決めるかという問題でもあります。
構造を変えないまま
時間を重ねるのか。
それとも、
時間の流れを踏まえて、
一度立ち止まるのか。
その選択は、
「いま困っているかどうか」
だけでは決まりません。
借金は、いつの間にか「自分の評価」になる
借金の問題が長く続くと、
その重さは、
数字や時間だけに
とどまらなくなります。
返済が続くほど、
「なぜこうなったのか」
という問いは、
状況ではなく、
自分自身に向けられやすくなります。
もっと計画的であれば。
もっと慎重であれば。
あのとき違う選択をしていれば。
時間が経つほど、
借金は、
出来事ではなく、
「自分の失敗」として
感じられることがあります。
けれど、
借金は、
人格の問題なのでしょうか。
それとも、
別の構造の中で
起きている問題なのでしょうか。
どの段階から整理しますか
借金の問題は、すぐに手続を選ぶことから始まるわけではありません。
いまの自分の状況に合わせて、整理する段階を選ぶことができます。