離婚を考えるようになったとき、「まず相手に話した方がいいのだろうか」と考えることがあります。

夫婦の問題なのだから、まずは二人で話し合う。
それ自体は自然なことです。

ただ、離婚について話し始めると、それまでと状況が変わることがあります。
相手が離婚を意識することで、夫婦の財産に関する資料を確認しにくくなったり、後から必要になる記録が残らなかったりすることもあります。
また、話し合いをきっかけに別居することになれば、住まいや生活費、子どもの生活について、すぐに考えなければならないことも出てきます。

そのため、離婚を切り出す前に、後から確認しにくくなることや、自分や子どもの生活に関わることについては、ある程度整理しておくことが大切です。

もっとも、離婚を切り出す前に、財産分与や養育費などの条件をすべて決めたり、あらゆる証拠を集めたりしなければならないわけではありません。

準備を始めたからといって、必ず離婚しなければならないわけでもありません。
調べたり整理したりした結果、すぐには離婚を切り出さず、もう少し考えるという選択もあります。

大切なのは、相手より先回りして有利になることではなく、離婚について話し始めた後も、自分の状況や選択肢を落ち着いて考えられるようにしておくことです。

この記事では、離婚を切り出す前に確認しておきたいことを、お金や財産、証拠や記録、子ども、住まいや生活といった観点から順番に整理します。

この記事のポイント
01
離婚を切り出す前に、確認しておいた方がいいことがあります
話し合いが始まると状況が変わることもあります。後から確認しにくくなることは、先に整理しておくことが大切です。

02
夫婦のお金や財産は、確認できるうちに把握しておく
収入、預貯金、不動産、保険、有価証券、住宅ローンなど、離婚後の生活や財産分与に関わる情報を整理します。

03
後から確認できなくなる可能性がある証拠や記録は残しておく
不貞や暴力など問題となっている事実がある場合は、何を残しておく必要があるのかを考えます。

04
子ども・住まい・生活費など、その後の生活も考えておく
離婚や別居をした場合に生活がどう変わるのかを整理した上で、いつ、どのように相手へ話すかを考えます。

離婚を切り出す前に、準備しておいた方がいいことがある

離婚について夫婦で話し合うこと自体は大切です。

ただ、離婚を切り出すタイミングによっては、その後の状況が大きく変わることがあります。

相手も離婚を意識するようになれば、それまで自由に確認できていた夫婦の財産に関する資料を見られなくなったり、夫婦関係についての記録が残らなかったりすることもあります。

また、話し合いの結果、すぐに別居することになれば、住む場所や生活費、子どもの生活などについて、短い期間で判断しなければならないこともあります。

そのため、離婚を切り出す前には、「後からでは確認しにくくなること」と「離婚や別居によってすぐに生活へ影響すること」を中心に整理しておくとよいでしょう。

後から確認しにくくなること

  • 夫婦の収入や財産に関する情報
  • 不貞など問題となっている事実の証拠
  • 夫婦関係の経緯に関する記録
生活のために考えておきたいこと

  • 子どもの生活
  • 離婚・別居後の住まい
  • 生活費や仕事

すべてについて完璧に準備してからでなければ、離婚について話してはいけないということではありません。

必要な準備は、夫婦の状況によって違います。

必要な準備は、夫婦の状況によって違います。
家計や財産を相手に任せていて全体像が分からない場合には、財産に関する情報を先に確認しておく意味が大きくなります。
一方で、夫婦がお互いの財産を把握していて、離婚原因や条件について争いになる可能性も低いのであれば、証拠や資料を急いで集める必要性は高くないこともあります。

つまり、離婚前の準備は、決められたチェックリストをすべて埋める作業ではありません。
自分の場合、話し合いを始めた後に何が問題になりそうかを考えて、必要なものから整理することが大切です。

準備をすることと、離婚すると決めることは別

離婚について具体的に調べたり、財産を確認したりすると、「ここまで準備したのだから離婚しなければ」と考えてしまうこともあるかもしれません。

しかし、準備をしたからといって、必ず離婚を切り出す必要はありません。

夫婦の財産や離婚後の生活を具体的に確認した結果、「離婚しても生活していけそうだ」と分かることもあれば、「今は離婚せず、もう少し考えたい」と思うこともあります。

また、離婚ではなく、まず別居して今後の夫婦関係を考えるという選択肢が見えてくることもあります。

準備をする目的は、離婚する方向へ自分を追い込むことではなく、離婚について話し始めた後も選択肢を持っておくことです。

まずは、自分の場合に何を確認しておく必要があるか考える

離婚前に確認しておきたいことは、大きく分けると、お金や財産、証拠や記録、子ども、そして離婚や別居後の生活です。

この中でも、特に離婚を切り出した後では確認しにくくなる可能性があるのが、夫婦のお金や財産に関する情報です。

財産分与だけでなく、離婚後の生活を考えるためにも、まずは夫婦にどのような収入や財産、負債があるのかを把握するところから始めてみましょう。

夫婦のお金と財産を把握しておく

離婚を考えるとき、早めに確認しておきたいのが、夫婦のお金と財産です。

これは、単に「離婚したらいくらもらえるのか」を計算するためだけではありません。

離婚後にどの程度の収入で生活することになるのか、住まいをどうするのか、住宅ローンをどうするのかなど、今後の生活を考えるためにも、まず現在の経済状況を把握しておく必要があります。

また、離婚について話し始めた後に相手が警戒すると、それまで見ることができた通帳や保険関係の書類などを確認しにくくなることもあります。

特に、家計や資産管理を一方の配偶者に任せている場合には、離婚を切り出す前に、夫婦にどのような収入・財産・負債があるのかを確認しておくとよいでしょう。

まず、夫婦それぞれの収入を確認する

最初に確認しておきたいのが、夫婦それぞれの収入です。

給与所得者であれば、給与明細や源泉徴収票などから、おおよその収入を確認できます。
自営業や会社経営をしている場合には、確定申告書や決算書などが参考になることもあります。

相手の収入は、離婚後の生活を考えるだけでなく、別居した場合の婚姻費用や、離婚後の養育費を考える際にも関係します。

自分自身の収入についても、現在の手取り額だけを見るのではなく、離婚や別居によって住居費や子どもにかかる費用などが変わった場合に、どの程度の生活費を確保できるのかまで考えてみるとよいでしょう。

預貯金・不動産・保険・有価証券などを整理する

次に、夫婦にどのような財産があるのかを整理します。

例えば、次のような財産が考えられます。

  • 銀行や信用金庫などの預貯金
  • 自宅や土地などの不動産
  • 生命保険や学資保険などの保険
  • 株式・投資信託などの有価証券
  • 自動車
  • 勤務先の退職金
  • その他、夫婦の生活の中で形成された財産

ここで大切なのは、最初から財産分与の対象になるかどうかをすべて判断しようとしないことです。

結婚前から持っていた財産や、相続・贈与によって取得した財産など、財産分与の対象とならないものもあります。
また、名義が夫婦のどちらになっているかだけで、財産分与の対象かどうかが決まるわけでもありません。

まずは、「夫婦にどのような財産があるのか」を把握することと、「その財産が財産分与の対象になるのか」を判断することを分けて考えると整理しやすくなります。

住宅ローンなどの負債も確認する

財産だけでなく、負債についても確認しておきます。

特に自宅を購入している場合には、住宅の現在の価値だけではなく、住宅ローンがどの程度残っているのか、誰が債務者になっているのかを確認する必要があります。

そのほかにも、自動車ローンや事業に関する借入れなどがある場合には、その内容を整理しておくとよいでしょう。

夫婦に借入れがあるからといって、そのすべてを離婚時に夫婦で半分ずつ負担することになるわけではありません。
負債の性質や契約関係によって扱いは異なります。

この段階では、財産だけを見て「これくらい分けられそうだ」と考えるのではなく、財産と負債の両方を含めて、夫婦の経済状況を把握しておくことが重要です。

財産に関する資料は、確認できるうちに整理しておく

どのような財産があるのか分かっていても、後になってその内容や金額を確認できなければ、財産分与について話し合うことが難しくなる場合があります。

そのため、現在確認できる資料については、必要に応じて内容を確認し、手元に残せるものは整理しておくとよいでしょう。

例えば、預貯金であれば金融機関名や支店名、口座の情報や残高が分かる資料、不動産であれば所在地や住宅ローンの内容、保険であれば保険会社や契約内容が分かる資料などが考えられます。

すべての書類を大量にコピーしておかなければならないわけではありません。
まずは、「どこに、どのような財産があるのかを後から確認できる状態にしておく」という視点で整理するとよいでしょう。

資料を確認するときの注意点

  • 財産を確認するためだからといって、相手のパスワードを無断で使ってオンラインサービスへログインするなど、方法を問わず情報を取得してよいわけではありません。
  • 必要な資料を確保することと、そのためにどのような方法を使ってよいかは、分けて考える必要があります。

離婚を切り出す前の段階では、財産分与の金額まで正確に計算できなくても構いません。
まずは夫婦の経済状況の全体像を把握し、後から必要な検討ができるようにしておくことが重要です。

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後から確認できなくなる可能性がある証拠や記録は残しておく

離婚を考えているからといって、必ず何かの証拠を集めなければならないわけではありません。

夫婦がお互いに離婚することに納得していて、離婚の条件についても大きな争いがなければ、離婚原因を証明するための証拠が問題にならないこともあります。

一方で、不貞や暴力などが離婚を考えるきっかけになっている場合や、離婚すること自体について相手と意見が分かれそうな場合には、その事実を後から確認できる資料が重要になることがあります。

離婚を切り出した後では、相手が警戒して、それまで残っていたメッセージや資料が削除されたり、確認できなくなったりする可能性もあります。

そのため、後から問題になりそうな事実がある場合には、離婚について話す前に、現在どのような証拠や記録があるのかを確認しておくとよいでしょう。

まず「何について証拠が必要なのか」を考える

証拠を集めるといっても、離婚に関係しそうなものを何でも保存すればよいわけではありません。

まずは、自分の場合に何が問題となる可能性があるのかを整理します。

例えば、次のような事情が考えられます。

  • 配偶者の不貞行為が問題となっている
  • 暴力や暴言などが続いている
  • 生活費を渡してもらえないなど、夫婦の生活に関する問題がある
  • 別居や夫婦関係が悪化した時期・経緯が問題となりそうである
  • 相手が自分の収入や財産について説明していない

何が問題となるのかによって、残しておいた方がよいものも変わります。

また、証拠は「離婚できるかどうか」だけに関係するものではありません。
不貞行為などを理由とする損害賠償請求や、財産分与、婚姻費用など、離婚に伴う別の問題を検討する際に必要となる資料もあります。

そのため、まずは「何を証明するための資料なのか」を意識して整理することが大切です。

不貞や暴力などがある場合は、その事実が分かるものを残しておく

配偶者の不貞が問題となっている場合には、メッセージ、写真、ホテルへの出入りが分かる資料など、不貞の事実を判断する材料となるものが考えられます。

ただし、「怪しいやり取りがある」ということと、法律上の不貞行為を証明できることは同じではありません。
どのような証拠が意味を持つのかは、その内容や他の証拠との組み合わせによっても変わります。

不貞の証拠については、以下の記事で詳しく整理しています。

不貞の証拠になるもの・ならないもの|裁判で問題となる証拠を解説

暴力や暴言などが問題となっている場合には、写真、録音、メッセージ、医療機関を受診した際の資料などが、後から当時の状況を確認する材料になることがあります。

一つの証拠だけですべてを証明しようとするのではなく、そのとき何があったのかを後から具体的に確認できるようにしておくという視点で記録を残しておくとよいでしょう。

夫婦関係の経緯も、後から分かるようにしておく

離婚について争いになった場合、特定の出来事だけでなく、それまでの夫婦関係の経緯が問題となることもあります。

例えば、いつ頃から夫婦関係が悪化したのか、いつ別居を始めたのか、その前後にどのような話し合いがあったのかなどです。

すべての出来事について詳細な日記を作らなければならないわけではありません。

ただ、時間が経つと、出来事の時期や順番は意外と分からなくなります。
重要な出来事については、メッセージやメールなど既に存在する記録を残しておいたり、時系列を簡単に整理しておいたりすると、後から状況を振り返りやすくなります。

証拠を集める方法にも注意する

必要な証拠があるからといって、どのような方法で取得してもよいわけではありません。

特に、相手のスマートフォンやオンラインサービスなどから情報を取得しようとする場合には、プライバシーや情報へのアクセス方法が問題となることがあります。

証拠を集めるときの注意点

  • 相手のパスワードを無断で使ってオンラインサービスへログインするなど、証拠を得るための方法自体に法的な問題が生じる場合があります。
  • 「証拠として必要そうだから」という理由だけで取得方法まで正当化されるわけではありません。取得方法に迷う場合には、無理に集める前に弁護士へ相談することも考えられます。

離婚を切り出す前の段階で大切なのは、新しい証拠を何としてでも作り出すことではありません。

今すでに確認できるものの中に、後から必要になる可能性がある記録がないかを確認し、失われる前に適切な方法で残しておくという考え方で十分です。

子どもと離婚後の生活を具体的に考えておく

離婚を切り出す前には、財産や証拠だけでなく、離婚や別居をした後の生活についても考えておくことが大切です。

離婚するかどうかを考えている段階では、「今の夫婦関係を続けられるか」という問題に意識が向きやすく、その後の生活については具体的にイメージできていないこともあります。

しかし、実際に離婚や別居をすることになれば、住む場所、生活費、仕事、子どもの生活など、日常生活そのものが変わる可能性があります。

離婚後の生活をすべて決めておく必要はありませんが、離婚や別居を選んだ場合に、自分や子どもの生活がどのように変わるのかは、ある程度具体的に考えておくとよいでしょう。

子どもの生活がどう変わるのかを考える

子どもがいる場合には、離婚するかどうかだけではなく、離婚や別居によって子どもの生活がどのように変わるのかを考える必要があります。

例えば、次のようなことが関係します。

  • 子どもが誰と、どこで生活するのか
  • 現在の学校や保育園・幼稚園に通い続けられるのか
  • 送迎や食事、通院などの日常の世話を誰がどのように行うのか
  • 仕事と子育てをどのように両立するのか
  • 離れて暮らす親とどのように関わっていくのか
  • 養育費を含め、子どもの生活費をどのように確保するのか

この段階ですべてについて夫婦間の合意を作っておかなければならないわけではありません。

まずは、現在の子どもの生活を基準にして、離婚や別居によって何が変わる可能性があるのかを整理してみるとよいでしょう。

また、離婚後の親権や子どもとの関わり方などについては、法律上の制度も関係します。
自分の希望だけで決められる問題ではないため、具体的な方針を決める段階では、現在の制度を踏まえて検討する必要があります。

自分の住まいと生活費を考える

離婚後に現在の自宅で生活を続けるのか、それとも別の住まいを探すのかによって、その後の生活は大きく変わります。

賃貸住宅を借りるのであれば、家賃だけでなく、敷金・礼金や引越し費用などが必要になることがあります。
現在の自宅が持ち家であれば、誰が住み続けるのか、住宅ローンをどうするのかといった問題もあります。

生活費についても、現在の家計をそのまま基準にするのではなく、別々に生活することになった場合を考えてみることが大切です。

家賃、食費、光熱費、通信費、保険料、子どもにかかる費用などを書き出してみると、毎月どの程度のお金が必要になるのかが見えやすくなります。

自分の収入だけでは生活費をまかなうことが難しい場合には、養育費や、公的な支援なども含めて、どのような方法で生活を成り立たせることができるのかを確認しておくとよいでしょう。

離婚前に別居する可能性があるなら、その後の生活も考えておく

離婚について話し合ったからといって、すぐに離婚が成立するとは限りません。

話し合いを続けながら同居することもあれば、離婚が成立する前に別居を始めることもあります。

別居する可能性があるのであれば、どちらが自宅を出るのか、どこで生活するのか、子どもはどうするのか、必要な荷物をどうするのかなどを考えておく必要があります。

また、離婚が成立するまでの間は、夫婦には婚姻費用の分担という問題があります。
夫婦それぞれの収入や子どもの人数・年齢などによっては、別居後、一方の配偶者から他方へ婚姻費用を支払うことになる場合があります。

そのため、「離婚が成立した後に生活できるか」だけではなく、離婚について話し始めてから成立するまでの期間をどう生活するのかという視点も必要です。

別居するかどうかや、別居するときに何を準備するかについては、それ自体で検討すべきことが多いため、別の記事で詳しく整理します。

離婚後の生活を考えることは、離婚を諦めるためではない

離婚後の住まいや生活費を具体的に考えてみると、「思っていたより生活が厳しくなりそうだ」と感じることもあるかもしれません。

反対に、収入や財産、利用できる制度などを整理することで、「離婚しても生活していけそうだ」と分かることもあります。

大切なのは、経済的な不安だけを理由に離婚を諦めることでも、何とかなるだろうと考えて見通しのないまま離婚を進めることでもありません。

離婚や別居をした場合の生活を具体的にしておくことで、その現実も含めて自分の選択肢を考えられるようにすることが、ここで準備する目的です。

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準備が整ってから、いつ・どのように話すかを考える

お金や財産、必要な証拠、子どもや今後の生活について整理できたら、次に考えるのが、いつ、どのように離婚について話すかです。

離婚を切り出すときに、必ずこの方法で話さなければならないという決まりはありません。

夫婦の関係や、離婚を考えるようになった理由によって、適した進め方は変わります。

大切なのは、何となく感情の流れで離婚を口にするのではなく、自分が何を伝えたいのか、その後どのように進めたいのかをある程度整理してから話すことです。

何を話すのかを整理しておく

「離婚について話す」といっても、最初の話し合いですべての条件を決める必要はありません。

まず離婚したいという意思を伝えるのか、離婚するかどうかについて話し合いたいと伝えるのか、いったん別居したいと提案するのかによっても、話の内容は変わります。

また、離婚する方向で話をする場合でも、財産分与、子どものこと、養育費、住まいなどについて、その場ですべて結論を出す必要はありません。

あらかじめ、

  • 今回の話し合いで何を伝えたいのか
  • 自分の中ですでに決めていることは何か
  • まだ決めておらず、相手と話し合いたいことは何か
  • その場では結論を出さず、後から考えたいことは何か

を分けておくと、話し合いの途中でさまざまな問題が出てきても、自分が何について話しているのかを見失いにくくなります。

一度の話し合いですべて決めようとしない

離婚について切り出すと、相手から理由を聞かれたり、財産や子どものことについてその場で意見を求められたりすることがあります。

しかし、離婚に伴って決めることは多く、一度の話し合いですべてについて合意できるとは限りません。

その場で判断できないことについては、持ち帰って考えることもできます。
相手から条件を提示された場合も、すぐに受け入れる必要があるとは限りません。

特に、財産分与や養育費など、今後の生活に長く影響する条件については、内容や影響を理解しないまま結論を出さないことが大切です。

離婚を切り出すことと、離婚の条件をすべて決めることは別の段階として考えてもよいでしょう。

二人だけで話すことが適切とは限らない

夫婦で冷静に話し合えるのであれば、まず二人で話してみることも考えられます。

一方で、相手から暴力を受けるおそれがある場合や、強い威圧を受けて自分の意思を伝えることが難しい場合などには、二人だけで直接話すことが適切とは限りません。

そのような場合には、安全を優先し、直接会って離婚を切り出すことにこだわらず、第三者や専門機関への相談を含めて進め方を考える必要があります。

身の危険がある場合は、安全を優先する

  • 暴力や脅迫などがあり、離婚や別居を伝えることで身の危険が生じる可能性がある場合には、一般的な「夫婦で話し合う」という進め方を前提にする必要はありません。
  • 自分や子どもの安全を優先し、離婚を切り出す前に、警察や配偶者暴力相談支援センター、弁護士などへ相談することも検討してください。

離婚すると決める前でも、弁護士に相談できる

弁護士への相談は、離婚すると決めた後にするものとは限りません。

離婚を切り出す前の段階でも、自分の場合にはどのような問題がありそうか、どのような資料を確認しておいた方がよいか、離婚した場合にどのような条件が問題になるのかを相談することができます。

特に、財産の全体像が分からない場合、不貞や暴力などがある場合、子どものことについて争いになりそうな場合、相手が離婚に応じない可能性が高い場合などは、先に法的な見通しを知っておくことで、切り出し方やその後の進め方を考えやすくなることがあります。

相談したからといって、離婚を依頼したり、相手との交渉を弁護士に任せたりしなければならないわけではありません。

まずは自分の状況を整理して、何を準備しておけばよいのかを確認するために相談することもできます。

離婚前の準備は、相手より有利になるためのものではありません。

お金や財産、証拠、子どもや今後の生活について整理しておくことで、離婚について話し始めた後も、状況に流されずに自分の選択肢を考えやすくなります。

すべてを準備してからでなければ話してはいけないわけでも、準備を始めたから離婚しなければならないわけでもありません。

自分の場合に後から確認しにくくなることは何か、生活のために先に考えておくことは何か。必要なところから整理しておくことが、離婚について落ち着いて判断するための準備になります。

離婚を切り出した後の進め方も、状況によって変わる

離婚を切り出した後、相手も離婚に応じるのであれば、具体的な離婚条件について話し合っていくことになります。

一方で、相手が離婚に応じない場合には、夫婦だけの話し合いを続けるだけでなく、離婚調停や、その後の離婚訴訟を含めた手続を検討することもあります。

離婚を切り出す前の準備は、その後どのような展開になったとしても、次に何を考えるべきかを判断するための土台になります。

離婚したいけど相手が応じない場合はどうなる?|離婚できる条件と進め方

どの段階から整理しますか